クラークマイスターの定理 The Clarkmeister Theorem

 

クラークマイスターの定理

 

クラークマイスターの定理は、Baluga Whaleの定理(訳注:ターンでレイズを
喰らったときは相手はマジ手なのでワンペアでは勝てないことが多いという趣旨)
のような、理解しやすいが効果的な定理だ。
この定理はもともとリミット向けに提案されてきた内容だが、
ノーリミットホールデムにおいても非常に効果的である。

■クラークマイスターの定理とは:
“ヘッズアップになっている状況であなたにポジションがなく、
リバーに4枚目の同一スーツのカードが出たなら、ベットせよ”

この定理の出典はよくわかってない。
が、2+2掲示板での数年前の議論から来ているようだ。

■なぜ、クラークマイスターの定理は効果的なのか?
クラークマイスターの定理がうまくいくのは以下の理由による。
・同じスーツのカードが4枚ボードにあるのは、多くのプレイヤーが嫌がる状況である。
・それだけに、この状況はリバーでブラフを打つのによいチャンスになっている。
・この状況で強く打つことで、多くの場合フラッシュ以下、弱いフラッシュしかない
ハンドのプレイヤーをフォールドに追い込める。

リバーで同スーツが4枚ボード出てる状況で相手に強く打たれてしまった
プレイヤーの立場に立てば、フラッシュ未満、そして弱いフラッシュのハンドは
フォールドせざるを得ない、と考えるだろう。
なので、最初にアクションを起こすプレイヤーが実際のハンドにかかわらず
ブラフする優先権を持っていることになる。

■クラークマイスターの定理の使い方
ブラフベットを打つ前に、以下の点を確認すること。
・リバーでのあなたのアクションが先であること(ポジションが悪いこと)
あなたのアクションが最初でなかったら、ベットは説得力に欠けるものとなり、
ブラフの威力は薄れる。相手のチェックに対してあなたがベットしたとき、
相手からするとあなたのベットはブラフに見えやすい。
それゆえ、クラークマイスターの定理では、あなたが最初にアクションする
番であるときにベットするよう定義している。

・ヘッズアップになっていること
リバーまでついてきたプレイヤーが多ければ多いほど、その中に本当に強い
ハンドを持っているプレイヤーがいる可能性が高くなる。
ヘッズアップの状況ならば相手が強いフラッシュやそれ以上のハンドを
持っているリスクは低くなる。

・ベット額が低すぎないように、ポットの3/4からポットサイズのベットをすること
ベット額を大きくすることで相手にとても難しい決断を迫ることになり、
そして相手がフォールドする可能性は高くなる。
もしベットが小さかったら相手はオッズコールしやすくなりブラフの試みは
うまくいかないだろう。
クラークマイスターの定理を使うには、怖れず適切なベット額を打つことだ。

■重要な点
クラークマイスターの定理を使う際は、ブラフを仕掛けていることになる。
なので、目的は相手を下ろすことであり、相手からチップをより多く引き出す
ベットとは違う目的のアクションであることを意識すること。
逆に考えれば、もしリバーの4枚目の同スートカードであなたに弱いフラッシュが
できたときは、ベットして相手を降ろすのではなく、チェックして相手のベットに
コールした方がよい。
なぜなら、あなたの弱いフラッシュがベストハンドである可能性は高く、
その場合にこちらからベットすれば相手は降りるだけだが、
こちらがチェックすれば相手のブラフベットを誘い出し、それにコールすることで
より稼げるチャンスを作れるからだ。

■クラークマイスターの定理はまだ効果的か?
その通り。Zeeboの定理(訳注:フルハウスのプレイヤーはその強さ、ベット額によらず降りられない)
のような防御に役立つ定理ではないが、Baluga Whaleの定理と同程度の信頼性のある定理だ。

■クラークマイスターの定理のまとめ。
クレイジーなaejonesの定理(訳注:相手もそうそうよい手を持つことはないから
自分のハンドにかかわらず攻め続ければ勝てる)や時代遅れのYetiの定理
(訳注:ドローのなさそうなフロップ、できればボードペアでの3ベットはブラフである)と異なり、
クラークマイスターの定理は知っておくべき実用的なポーカー定理といえる。
この定理を逆手にとれるレベルの熟練プレイヤーを相手にするのでなければ、
この定理に従ってプレイし続けることで長期的に利益を生み出せるだろう。

クラークマイスターの定理は、弱いプレイヤー相手に特にすばらしい効果を発揮する。
この定理に基づいたベットをする際には、相手についての知識とターンまでの相手の
アクションを考慮することで、より成功率が上がることだろう。